純和風建築は、日本の自然美と伝統技術が融合した建築様式です。
屋根は入母屋屋根で軒天などデザイン性も考え、内部は柱や床の間など、職人の高度な技術が活かされています。
木材の木目や質感を大切にし、畳敷きの和室、欄間、雪見障子といった日本特有の意匠が温かみのある空間を生み出します。
縁側や障子から柔らかな光を取り入れ、季節の移ろいを感じられる造りも特徴です。
日本人の美意識と匠の技が息づく空間です。
玄関は、三重県美杉町産の上質な杉を用いた、目の細かい尺間(しゃっけん)の格天井(ごうてんじょう)を配し、訪れる人を温かく迎えます。
創業75年の技術を結集し、木目が美しく引き立つよう丁寧に施工しました。
田辺工業流、四つ間の空間設計を提案させていただきました。
四つ間、または田の字型といわれる日本建築は、従来すべて畳敷きが主流ですが、お施主様の「リビングは椅子で過ごしたい」というご希望を取り入れ、リビング部分を洋風の仕様にしました。これにより、落ち着いた和の趣と快適な洋の機能性が調和した、心地よい空間が完成しました。
伝統的な日本建築の良さを活かしつつ、現代のライフスタイルにも対応しています。
床の間は、床板には堂々たる欅(けやき)の一枚板を使用。さらに、筬欄間(おさらんま)や二重廻り縁(にじゅうまわりぶち)、竿縁天井(さおぶちてんじょう)、そして雪見障子(ゆきみしょうじ)など、日本建築ならではの意匠が随所に施されています。なっています。
縁側は、天井には無垢の杉を使った竿天井が広がり、細部まで自然の風合いが際立ちます。
竿部分には「猿甲」(さるこう)と呼ばれる精緻な意匠が施され、床には圧密加工された無垢の桧(ひのき)を使用して、温もりと上質さを兼ね備えた仕上がりとなっています。
「制外のうで」と呼ばれる「うで木」を用いる「せいがい造り」という長い庇が可能な伝統的工法で作られています。
長い庇は雪の重み、風雨、日差しなどから家を守ることが出来ます。
軒天(のきてん)は、寄垂木(よせたるき)を巧みに寄せ合うことで、上品で洗練されたデザインを実現しています。
天井には美しい「甲舞貼り」(こうまいばり)を採用し、優雅な雰囲気を引き立てます。
さらに、この構造は「制外の腕」(せいがいのうで)と呼ばれる伝統的な工法で作られており、屋根に積もる雪の重みにも耐えられるよう工夫されています。
特徴的な入母屋屋根(いりもややね)を採用し、一文字瓦と家紋をあしらった鬼瓦が重厚な趣を添えています。
外柱には、腐食を防ぐために銅板巻きの加工が施されています。
この銅板が柱をしっかりと保護し、耐久性を高めるとともに、重厚で美しい外観も兼ね備えています。